Message代表メッセージ

2011.11.01

世界初!走るポストのついたMOMO2

岡山電気軌道 社長
小嶋光信

9年ぶりに岡山市に登場したMOMO2(略称:ももツー)の新しい趣向は、「公共交通利用で歩いて楽しいまちづくり」の一環で、車内にデジタルサイネージをつけて、公共のお知らせや美術館・博物館の催し、地域のイベントなどの岡山市内を回遊していただくのに便利な情報を提供することと、手紙やハガキにちょっと気軽に近況報告を書いていただいて車内から投函できる郵便ポストを設置することにしました。このポストから投函された郵便物には、MOMOのスタンプや特別な消印が用意されています。岡山中央郵便局さんにご相談したら、即座に取りかかってくださって、今回の設置となりました。路面電車にある郵便ポストは日本で唯一ですし、世界でも聞いたことはありません。

今年の11月1日に、岡山市主催の「第49回岡山芸術祭」と岡山県主催の「おかやま県民文化祭 岡山芸術回廊」を記念して、関係者のみなさんと私立蓮昌寺保育園の園児24名をお招きしてポストの除幕式をしました。

エコ公共交通大国構想は、市内の中心部の環境と車の渋滞緩和、高齢社会にも分かりやすい公共交通を目指す、次世代への提案です。100万人を切る政令市で、岡山市と地域力の似ている仙台市の幹部の話によると、今度二本目の地下鉄を1400億円前後で計画しているそうです。素晴らしいプランですが、岡山市では時代を超えて残った路面電車を活用し、地下鉄に対して10分の1以下のはるかに安いコストで、電車の計画ができるでしょう。政令市としての夢をどのように描くか、長期的な視点でどのような公共交通インフラ整備をするかは地域のみなさんの将来への公共交通へのビジョンと情熱にかかっています。地域力が試されていると言っても良いでしょう。我々事業者は市民とお客様の声をシッカリ聞いて、如何にその声に応えられるように頑張ることが大事です。

我田引水になるので、参考に、ウィキペディアに載っていた路線バスの長所と短所を、バスと電車の比較として掲載しておきます。ヨーロッパのみならず、あの自動車社会のアメリカでも市内をLRT化する理由が分かると思います。財政的に豊かなアメリカのサンノゼが、かなりの公費を使って、赤字事業でやっているのは、市民への福祉と市内にマイカーを乗り入れないようにする施策の一環で、無料運賃などを政策的に多用しているからです。日本での公有民営では、基本的に運賃収入でランニングコストが維持できることが原則になるでしょう。

<参 考>
路線バスの長所と短所・・・ウィキペディアより転載
他の公共交通機関と比較する。

長所

  1. 設備投資が小さい
    最大の利点。道路を利用するので、線路や駅を建設する鉄道、空港を建設する航空に比べて、新規路線を置く際も費用があまりかからない。そのため、他の公共輸送システムに比べ、地域に密着したサービスが可能となる。これを推し進めた例として、小型バスを使用して住宅街の中などを細かく回る路線を設定したコミュニティバスがある。 なお、高速道路の本線車道上にバス停を設置する場合は、バス停の前後に減速車線・加速車線が必要となるため、設置費用が比較的高くなる。
  2. バス停間の距離が鉄道の駅間距離に比べて短い
    特にフリー乗降制区間が採用されていると、バス停以外でも乗降できる利点がある。 路面電車などの併用軌道より高速走行が可能 併用軌道の最高速度は40km/hなので、場合によっては併用軌道より路線バスの方が速く目的地へ到着することがある。
  3. Uターンが容易
    鉄道の場合は前後に運転席を設けている場合が多い。蒸気機関車の場合は転車台などが必要となる。 Uターンが不可能でも、車掌や終点などでの係員の誘導があれば誘導によって、それもなければバックアイ(後方のモニターカメラ)装備などで、方向転換が容易である。 大型バスの場合、高速道路の通行料金区分が「大型車」扱い。 観光バスの場合、大型バスになると「特大車」扱い。

短所

  1. バスレーンの無い道路では渋滞に弱い・渋滞の原因になる
    渋滞に巻き込まれると、運行に遅延が生じる。また、バス停に停車するバスが原因で渋滞を起こしてしまうこともある。 福岡市や北九州市のように、バスの台数が極端に多く、また運転系統が市の中心部に集中しているため「バスが渋滞を引き起こす原因」となっている例もある(ただし、このような事態を回避するために、西鉄バスの中距離路線では都市高速道路を利用する路線が多い)。 宇都宮市の大通りのように、バスの路線が過度に集中している地区においては、慢性的な渋滞により極端な遅延が生じる場合がある。
  2. 日本の高速道路にはバスレーンが無い
  3. 大量輸送が困難
    バス1台あたりの乗車定員数が、連節車両であっても通勤形電車1編成あたり(2両以上)の乗車定員数より少なくなる。また、鉄道の場合は乗務員を増やすことなく編成両数を増やすことができ、大量輸送が可能。バスの場合はバス1台ごとに運転士1人が必要になるため、人件費の面で不利。
  4. 鉄道に対する高速化の限界
    上記渋滞により、バスレーンのある道路を除いて専用軌道走行あるいは交通規制で優先される路面電車・LRTなどの併用軌道に比べ、路線バスの速度が低くなる。 高速道路での法定速度が100km/hなので、100km/hを越えて走行できる列車(在来線幹線の特急列車や新幹線などの高速鉄道)には対抗できない(表定速度も参照)。 ただ、所要時間(および運賃)の差が非常に大きい高速鉄道や航空路線とは、ニーズによって使い分けられている部分も多い(JRバスの「昼特急」シリーズなど)。 区間によっては並行する鉄道路線で列車が低速でしか運行できない、あるいは鉄道が道路に比べて遠回りをしているといった理由で、所要時間が鉄道と同等もしくは鉄道に勝る例もある。
  5. 環境問題(大気汚染や酸性雨・地球温暖化)
    バスも、自動車の一種で排気ガスを大気中へ出すため、この問題は避けて通れない。だが、ハイブリッドバスや天然ガス、尿素SCRシステムを活用したバス(過去には、東京都交通局や知多乗合において燃料電池バスの試験運行を行った)が多くなっており、このような車両の導入で窒素酸化物等有害排出物低減の取組みがなされている。
  6. 交通事故
    バスが関連する交通事故は少なくない。道路は一般的に混合交通であり、他車の無謀運転や歩行者等の飛び出しなどによる事故は避けきれない。これに加え、劣悪な労働条件、あるいはバスサービスの供給過剰(競争激化)により、公共交通機関のバスでさえ無謀運転に陥ってしまう場合がある。
  7. バス固有の営業エリアの問題
    鉄道(列車)と異なり、特に高速路線バスにおいて、鉄道の代替的な性格をもって開設された旧国鉄(現在のJRバス)系ハイウェイバス(東名、名神、中国)を除き、途中経由地の区間利用を許していない路線が多い。


岡山電気軌道

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