Message代表メッセージ

2015.09.14

「点呼・健康:ご安全に!」ソフト開発 - 日本初!運輸安全マネージメント:点呼・健康管理システム -

両備グループ代表兼CEO
小嶋光信

運輸交通の安全確保のためには、その輸送に携わる運転士、運転者、船員などの健康管理が、高齢化時代の進展とともに重要な事項になります。しかし、恣意的判断が多い、短い時間に錯綜する点呼の効率と精度をあげたいということで、健康管理マニュアルなどを何とか科学的に健康機器と連動した「運輸安全マネージメント:点呼・健康管理システム」としてソフト化するように指示していました。今日それを「点呼・健康:ご安全に!」という愛称で商品化し、発表しました。両備グループには約1,200名を有する情報系グループがありますので、その一社の㈱リオスと両備バスカンパニーのコラボの作品です。

安全の確保には、第一に乗務員に起因する事故36%(平成25年度「自動車運送事業用自動車事故統計年報」より)の現状改革にどうメスを入れていくかです。特に重大事故につながる乗務員の健康管理を蓄積データ化し、安全・安心運行徹底の一助にしていこうということで、
運輸安全マネージメント:点呼・健康管理システム (愛称)「点呼・健康:ご安全に!」
をソフト開発しました。

  1. システム開発コンセプトは
    • 点呼実施の「エビデンス」確保(誰が・いつ・どのような)となるものとします。
    • ドライバーに「意識改革」を与えるシステムとします。
    • 運行管理者の判断をサポートする「補助」システムとなるものとします。
    • ドライバーに安全運転の「教育・指導」を行うために「データ集積」するシステムとします。

  2. システム導入による効果は、
    運行管理者は対面点呼時に「顔色」「声色」「様子」「健康管理」状態を確認する必要があります。健康状態を数値化することで、

    • 運転者の意識改革および個々の健康状態に応じた的確な点呼・乗務指示徹底を効率的且つ効果的に実施ができます。
    • 事業者と乗務員の双方が、健康状況(持病・通院状態・服薬)を把握できます。
    • 国土交通省 『事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル』に準拠した質問を搭載しています。
    • 免許証による個人認証で、免許証不携帯・更新忘れを防止できます。

  3. 個人情報として健康の問題を扱うので、情報漏えいなどのセキュリティが大事ですが、以下の対策で安心してご利用いただけます。
    • システムはクラウドサービスで管理
    • サーバとの通信は全て暗号化通信
    • ファイアーウォールで外部ネットワークからの攻撃を防御
    • IPアドレス指定による、拠点からのアクセスのみに制限

  4. 今後の展開としては、下記の開発を継続していくことで、精度をあげていく方針です。クラウドによる運用ですので、ソフトの充実で、新しくなれば新たにソフトを買うという二重投資や、時期早尚ということはなく、早く入れれば入れるだけ効果が上がり、毎年の進化を早く享受していただけます。
    1. アルコール検知器との連動(年内予定)
    2. 検診データ(2回/年)の取込みによる、健康データの収集(年内予定)
    3. 遠隔地点呼との連動(来年度予定)
    4. デジタルタコ(デジタルタコグラフ:自動車の走行時間や走行速度などの運行記録を自動的に記録し、メモリーカード等に保存するシステムのこと)との連動(来年度予定)

    上記データと日々の健康データを収集・分析し、予防へと展開を図るとともに事故履歴や運転特性のデータを掛け合わせ、教育・指導ツールとしていけるようになります。

約1カ月間両備バスの現場で試験運用による乗務員の意識が確実に安全と健康思想に変わってきています。

  • 乗務前に計測することが習慣化され特に血圧には気を使っている乗務員が多い様です。
  • 数値化することで顔色だけの判断で健康状態を判断しないため、点呼時のコミュニケーションが増えました。
  • 個人のスマホにデータを送って欲しいという要望も上がっており、乗務員の健康維持への意識向上が見られます。

A. システム概要

「点呼・健康:ご安全に!」は、免許証チェックにより、乗務前に各乗務員が体温・血圧の測定を行い、改ざん出来ない状態で測定値を運行管理者に転送します。運行管理者はその測定値をもとに、各乗務員に沿った点呼指導を実施し、事故の抑制に努めます。

<システムイメージ>
fig01

B. システム導入経費

初期導入経費 :約20万円 (体温計2台、血圧計1台、血糖計1台の場合) 
※健康機器の数量により異なります。
月額経費 :1.5万円 / 1ライセンス(営業所)

C. 運用試験の様子

fig02

D. 「点呼・健康:ご安全に!」画面イメージ

fig03

E. 目 的

・客観的な点呼を行うことにより、体調不良の乗務員が乗務することを防ぎ、健康に起因する事故を抑制します。
・日々の健康データを管理することで、乗務員一人ひとりの健康意識を高めます。

この「点呼・健康:ご安全に!」のシステムが、運輸業界の健康にまつわる事故などの防止に役立ち、点呼が科学的に行われ、エビデンスが残り、安全教育に資することを期待しています。

20150914

両備グループ

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